2024年11月11日

タイの新しい神様?クルー・カーイケーオ



2023年8月9日、タイであるニュースが話題になりました。
バンコクのラチャダーピセーク通りで、巨大な黒い像を運ぶトラックが、その像の高さのため歩道橋をくぐれず大渋滞を引き起こしたのです。
渋滞が多いことで有名なバンコクでさらに渋滞を引き起こすことも顰蹙ものですが、それ以上にこの像の異様さが人々の関心を引きました。

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こちらがその問題の像でクルー・カーイケーオといいます。
クルーは、師とか先生、カーイケーオは意味はあるんですがここでは名前で、つまり、カーイケーオ先生という名になります。
カンボジアの、クメール呪術を操る呪術師で、その不思議な力で願いを叶えたり、悪運を祓ったりしてくれるそうです。
十数年くらい前より一部礼拝所で祀られる、知る人ぞ知るマイナーな神様のひと柱です。

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チェンマイ・バスターミナル脇のガネーシャ廟のクルーカーイケーオ先生。

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バンコク・ホワイクワンのガネーシャ廟のクルーカーイケーオ先生。

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セントラルウエストゲート横のガネーシャ廟のクルーカーイケーオ先生。



このたび、バンコクのザ・バザールバンコクホテル脇にある礼拝所に、クルー・カーイケーオ先生の巨大像を祀ろうとした際に今回の騒動が起きました。
この礼拝所は、ヒンドゥー教の神々を中心に祀っている廟で、かつてはそれなりに人気がありましたが、コロナ禍で参拝者が激減し、ほぼ休業状態となっていました。

これはここに限ったことではなく、タイ国内には多くのヒンドゥー教系の廟がありますけど、コロナ禍はどこも同様に休業や閉業に追い込まれていました。
というのも、ヒンドゥー教の廟は頻繁に儀式を行って信者からのお布施を得ているため、コロナで集会ができなくなると資金面で立ち行かなくなるのです。
ようやくコロナもあけ、起死回生を狙って巨大クルーカーイケーオを祀ろうとしたのでしょう。
その矢先にこの事件です。
加えて、その悪魔的外見から「これは本当に神なのか?」とネットやテレビで騒がれました。
また、詳細は不明ですがクルーカーイケーオの開眼の儀式が犬・猫に苦痛を与えて悪魔崇拝的であると物議を醸しました。


当時、これは自分も確認せねば!と現地のザ・バザールバンコクホテル脇に行って見ました。

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クルーカーイケーオ像は確認できますが、パーテーションに阻まれ近づけないようになっていました。
騒動が大き過ぎて公開できなかったんでしょう。


さらに、2023年12月30日にタイ国鉄からこの地に祀られたクルー・カーイケーオ像と9体の神像に対し、撤去命令が出されました。

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というのも、この場所はもともとタイ国鉄の所有地であり、礼拝所が違法に建てられていたためです。
また、併せて130万バーツの罰金も課され、支払われたとのことです。
もちろん、ホテル側も無断で礼拝所を建てることは考えにくいため、この騒動を機に撤去させるため何らかの工作があったのではないかと邪推いたします。

で、撤去されてしまい、移転先も不明で寂しく感じていたんですけど、意外とすぐ近くに移動していたことが判明いたしました。
5キロほど南のザ・ワンラチャダーというナイトマーケット内であります。

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ここはかつて屋台の屋根がとても写真映えすることで有名になったマーケットですね。
以前は鉄道市場と呼ばれ賑わっていましたが、コロナで客が激減し閉業。
ザ・ワンラチャダーとして復活したんですけど、写真映えスポットも普通になり、今ひとつパッとしない印象になってしまいました。
そこに新たにクルーカーイケーオをはじめとした神々が祀られたのです。

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礼拝所全景。

どうやら、アジア各国の神々がテーマのようですね。

まずはタイから。

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クンペーン。タイの古典文学「クンチャーン・クンペーン」の主人公。性格は外道ながら、イケメンで戦闘能力が高く、モテモテ。

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インドはウマテウィー。ガネーシャの母親。
虎に乗っているので厳密に言えばドゥルガーだと思いますが、まあ同じということで。

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ブラフマー神。タイでは土地神として人気。

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中国。哪吒(なた)。
中国の古典文学「封神演義」の主人公。丸い輪っかがトレードマーク。

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孫悟空。「西遊記」の主要キャラクター。
悟空は潮州でよく祀られています。
タイで悟空が祀られていたら、大体潮州系華人の廟。
中国は関羽とかフィクションキャラの神格化が多いですな。

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財神。文字通り財をもたらす神。

カンボジア。クルーカーイケーオ先生。

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クルーカーイケーオ像は大小2体祀られています。

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日本(?)。九尾の狐。

なぜ九尾の狐?と思うかもしれないですが、おそらく2020年よりNetflixで配信された「九尾の狐と危険な同居」という韓ドラの影響ではないかと推測します。
タイでももちろん配信されました。

"ตำนานรักจิ้งจอกเก้าหาง" | Netflix

タイではドラマで取り上げられ、それがきっかけで人気になる神様や神獣が多いのです。


さて、これらの神々はザ・ワンラチャダーにご利益をもたらすのか?
世間からの批判の荒波を乗り越え受け入れられるのか?
クルーカーイケーオ先生の真価が問われます。
興味がありましたらぜひワンラチャダーに行かれた際に参拝してみてください!



位置情報



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posted by たーれっく at 09:00 | Comment(0) | タイの神様