当初2017年11月2日より11月30日までの予定でしたが、12月30日まで見学できるようになりました。
年末に来られる方も時間があればぜひ!
早朝7時〜22時。

前の記事では国王火葬場(プラ・メールマート)の周囲に建てられたパビリオンの解説をいたしました。
「国王火葬式場、一般公開 プラ・メールマート」

今回は、プラ・メールマートと、その周囲に飾られた神様や神獣の像について解説いたします。
実は僕の興味はこちらがメインなのであります。
しかし、これらは全部で400体以上あるそうで、すべて紹介するのはとても無理!
・・・と思うでしょ? いえいえ、全部紹介いたします!
それが、「どうでもタイランド」なのであります!
漏れがなければいいんですけどね。
まずタイの火葬場の解説から。
もともと火葬場のことをタイ語でメーン(เมรุ)もしくはメールといいます。
これはタイの大きなお寺にはけっこうあって、葬式とともに火葬も行います。

これはうちの近所のワット・マハーブットのメーン。
仏が安置されていないきらびやかなお堂で、分かりやすい目印は火葬した時に煙を出す煙突があることですね。
これは一般の方のための火葬場。
王族はこれに「プラ」という王や神や僧侶につける尊称を付け、プラ・メーン。
今回は国王ですので、さらに厳かに、プラメールマート(พระเมรุมาศ)と呼んでいます。
メーン(メール)とは、メール山、つまり須弥山(しゅみせん)のことであります。
つまり、このお堂を須弥山を見立てているのです。
須弥山はインド神話を始め、仏教、ヒンドゥー教、西遊記などにも登場する世界の中心となる伝説の山のことであります。
その頂にはインドラ神が住む城があり、中腹では四天王が四方を護っていると言われています。
そしてその麓にはヒンマパンと呼ばれる広大な森があり、クルッ(ガルーダ)を始めたくさんの神獣が住んでいるのだそうです。
プラ・メールマートもその須弥山を再現しております。
これら須弥山の模様は、タイのお寺に行くとお堂の壁画にも描かれていたりします。
ぜはー、前置きでもう疲れちゃいましたね。
それでは本編。

プラ・メールマートの東西南北にはこのようなパネルがあって、タイ語と英語で名称と簡単な解説がなされております。
これがとても助かります!

メインとなる中心の塔ですね。
こちらで前国王は荼毘に付されました。
葬儀の模様はテレビやネットで大々的に中継されておりましたが、火葬の直前に突然放送が中止になりました。
やはり国民にはショッキングすぎるという現場の判断かと思います。
後日YouTubeに投稿された素人撮影の映像を見ると、火葬され白く上る煙を見て観衆のみなさんがすすり泣き・・・どころか嗚咽を漏らして号泣されていまして、見ているこちらも胸が締め付けられる思いです。




四方を囲うこの美しいヒンドゥー教の神々が描かれたパネルは、英語ではFireguard Screenとあります。
火葬の火を守る衝立ですね。
像の方を見てみましょう。
実物を見た最初の印象は、「意外と小さい」であります。
葬儀の模様はネット中継で見ていたのですが、もう少し大きい(1.2〜1.5倍)イメージでした。
それだけ造形が細かいんでしょうかね。

テーワダー(神・天人)。




クルッ(ガルーダ)。
どれも似ているように見えますが、色やポーズや持物が微妙に違います。

照明係も、クルッ。

土台を支えるのもクルッ。


ラーウバンダイ・ナーク(階段の手すりナーガ)。
足がかわいい。

テーワダーとナーク。
ナーガの顔が人面ですね。
ナーガは人間にも変身することができます。

ラーチャシー (ライオン王)。

ラーウバンダイ・ナークとコチャシー。

ラーウバンダイ・ナークとラーチャシー。

ラーチャシー。

コチャシー。

2体のプラ・ピカネート(ガネーシャ)がいらっしゃいます。
解説パネルには、こちらはプラ・ピネークと書かれています。
持物の違いで名前が違うようです。

こちらはプラ・ピナーイ。
中段の四方向は四天王が護ります。
日本・中国でも持国天・増長天・広目天・多聞天と呼ばれ親しまれていますね。
この4つの像、中央を向いているので遠巻きからだと正面が撮影できないのですよ。
残念!

動画で紹介されていたタイの四天王の紹介画像のキャプチャーです。
まずは北から。

北を守るのはターウ・ウェースワン(ท้าวเวสสุวรรณ(ท้าวเวสวัน) Lord Vessavaṇa)。
梵名はヴァイシュラヴァナ。日本では多聞天(多聞天は四天王の一人としての名。単独では、毘沙門天)。
ああ、正面から見たい!

東を護るのは、ターウ・トタロッ(ท้าวธตรฐ Loed Dhatarattha)。
梵名はドゥリタラーシュトラ。日本では持国天。
中国の持国天は琵琶を持っていますが、タイでも同じなんですな。

南を護るのは、ターウ・ウィルンホック(ท้าววิรุฬหก Loed Viruudhaka)。
梵名はヴィルーダカ。日本では、増長天。

後ろ髪がかっこいい。

西を護るのは、ターウ・ウィルーパック(ท้าววิรูปักษ์ Lord Virulhaka)。
梵名はヴィルーパークシャ。日本では、広目天。

やはり後ろ髪が長い。 弓がかっこいい!
火葬の儀当日のテレビ中継では、一日中中継していて時間がけっこう余るので、これらの像の解説などをたっぷりしていたんですよね。
残念なことに僕はそれを聞き取れるほどのタイ語能力がないので、かなり悔しい思いをしながら「なんて解説してるんだ?」と食い入るように見ておりました。
お堂にある像はこれくらいですかね。
次は、麓に広がるヒンマパンの森の神獣たちの解説に移りましょう。
ふはー、これが膨大で大変ですので、次回に!
続く。
(注:急いで編集しているので間違いがあるかも。わかり次第修正していきます)
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12月30日までやってたら私も行けそうです!でも先生がこれほど細かく紹介いただいてるので参考にしながら見れそうです!
このパートはクルッとナーガが見ものですね!日本でもお馴染みの増長天、持国天、多聞天、毘沙門天さん四天王たちは確か火の鳥では敵役でしたっけね!
>前半の写真のメーン、メーナークさんのものに似てるなーって思ったらそのものでした!ナルホド煙突は気にしてなかったけどそう言うことだったんですね!
ほんとは写真も縁起が悪いんで撮らないほうがいいんですけどね。
資料のために撮ってきました。
>12月30日までやってたら私も行けそうです!でも先生がこれほど細かく紹介いただいてるので参考にしながら見れそうです!
年末、最後の辺りは混みそうですね〜。
どれくらい待つことになるのか・・・
早朝がお勧めです!
>このパートはクルッとナーガが見ものですね!日本でもお馴染みの増長天、持国天、多聞天、毘沙門天さん四天王たちは確か火の鳥では敵役でしたっけね!
最近ブッダを全館購入して読み直したんですが、手塚先生の自由な想像力は素晴らしいですね。
タイの神様を題材にしてマンガ描きたいけど、あんな創造力創作力が少しでもあればなぁ〜。