2017年11月16日

国王火葬場、プラメールマートを囲うヒンマパンの神獣たち

国王葬儀のお堂、プラ・メールマート(พระเมรุมาศ)を紹介しております。

一般公開されているプラ・メールマートのパビリオンについての記事はこちら。
「国王火葬式場、一般公開 プラ・メールマート」
プラ・メールマートを護る神様の像に関する記事はこちらです。
「国王火葬式場、プラ・メールマートの神様たち」

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今回は、プラ・メールマート周囲を飾る神獣について解説したいと思います。

プラ・メールマートは、インドの伝説の山、須弥山を模しています。
須弥山のふもとには広大な「ヒンマパン(หิมพานต์)」と呼ばれる森があり、そこにはたくさんの神獣が住んでいると言われています。
タイの古典美術でも好んで題材にされ、豊かな想像力でたくさんの幻獣が創造されました。
このプラ・メールマートではそれらの世界を再現していて、お堂の周囲にはたくさんの神獣の像がジオラマで飾られております。

ヒンマパンは英語では「Himavanta」と書くみたいですね。
これ、普通に読んだら通じないですな。
日本語だと「ヒマパン」と書かれていることが多いですが、発音は「ヒンマパン」です。

ヒンマパンはトライプーミー・プラルワン(三界経)という仏教経典にも登場するそうです。

三界経(さんがいきょう)!
これ、重要ワードですね〜。
タイで最古にしてもっともすぐれた仏教書といわれています。
三界(トライプーミーorトライプーム)とは、欲界・色界・無色界のことで、輪廻の世界をあらわします。
1345年にタイで編纂されたトライプーミー・プラルワン(ไตรภูมิพระร่วง)は、特に地獄の描写が具体的でめちゃくちゃ詳細なのです。
タイの地獄寺はこの三界経の描写を忠実に再現しております。
また、お寺のお堂の壁画にも詳しく描かれることが多いです。

地獄のがパンチがあるのでフィーチャーされやすいですが、天国のようなヒンマパンの世界がこれだけ大規模に、しかもタイ最高峰の職人によりつくられるのは前代未聞なのであります。
興奮を押さえつつ、じっくりと観て回りましょう。






また前置きが長くなりました。
できれば、ついてきて欲しいw

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エリアごとにこのようなパネルがあり、タイ語と英語で解説されております。
これ、名前が判ってとてもありがたいっす!

北側からいきます。
名前を全部紹介しようと思いましたが、あまりにも大変なのであきらめました〜。
目立つやつだけ書き留めます。

エリアごとに種族で集めております。

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象族。 象が一番種類が多いっす。
タイ人、象大好き!

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とてもかわいらしい魚の象ちゃん。
名前は、クンチョンワーリー。

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右の黒い象は、藤子・F・不二雄先生の漫画に出てましたよね?w
カリンタパクサー。

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鳥族が少し入ります。

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男性がキンノーン(キンナラ)、女性がキンナリー。
個人的には、ヒンマパンといえばキンナリーが一番最初に頭に浮かびます。
キンナリーに関しては記事にしてありますので、詳細はそちらで。
「美しき鳥の乙女 キンナリー」

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ちなみに、このジオラマの池の名前はサッ・アノーダート(สระอโนดาต Anodard Pond)と言います。
ヒンマパンには大きな池が7つあり、その中心となる池であります。

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象族が続きます。

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すんません、象は雑になってますねw

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キンナリーに似ていますが、これはナラシン。
下半身がシン(ライオン)で、シンの一族になるようです。

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実は写真を見てお分かりのようにすごい人なのです。
撮影ポイントを確保するのが大変!
学生の団体が多いので、蹴散らしながらの撮影ですw(そうしないと邪魔で撮れない〜)

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こちらはキンナリー、キンノーン(キンナラ)。

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パヤー・ナーク。

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ヘーラー。 ドラゴンとナーガのハーフ。

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キンナリー、キンノーン。

シン(ライオン)一族に入ります。

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コチャシー。
もうデザインかっちょよすぎ!

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前列の2体がコチャシーで、後列がタットーという名前なんですが、正直違いが判りません。

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手前がコチャシー、後ろがタットー。

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かっちょいい〜、ドドンゴみたい!
カーラシーハ。

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クライソン・ラーチャシー。

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この生き生きとした描写!

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シン。

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シン族、続きます。

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バントゥ・ラーチャシー。 虎系の入ったシン。

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ティナ・シーハ。 牛の入ったシン。

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ティナ・シーハ。

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右の親子はカーラ・シーハ。

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またかっちょいいのきたね。 サクナクライソン。

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手前がナーク・プレーン。 人間に姿を変えているナーガ。
後ろが、ホン。 スワンですね。

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ホン。

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牛族に入ります。

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魚の尻尾の牛。 コー・パルックサカワーリン。

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牛、多いですね。 タイ人、牛も大好き!

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池を見ると、魚もちょくちょくいます。
初日に盗まれたというのはこの魚系ですかね?

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まだ牛族続きます。

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ミストを噴出しています。 雰囲気は出ますが、ちょいと見づらいっす。

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お、ペガサスっぽい感じ! 牛だけどw
右がパックサーカーウィー。 左がコー・ウスパパックシン。

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ナーガ族に入ります。
身体が鳥のナーガ、ナーク・パックサー。

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インチキおじさんって感じのナーク・プレーン。

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パヤーナーク。

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かっこいいねぇ〜。

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ヘーラー。

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馬族に入ります。

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口がかわいい、ヘーマラート。

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こっちが、ヘーマラーアッサドン、というみたい。

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来た来た、変なのw シントップナックティといお名前、

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また来た、怪しいの!
ノック・オーラハン。 オーラハンは阿羅漢のこと。
つまり、悟りを開いたお方ですな。

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妖しすぎる組み合わせw

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ペガサス風。 ドゥロンクパックシン。

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キレン。 たぶん麒麟からきているかと。


以上であります!

周囲にロープが張られて中に入れないプラ・メールマートですが、このヒンマパンの森は間近で見ることができます。
個性豊かな楽しく美しい動物たちを、ぜひじっくり鑑賞してみてください〜!





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posted by たーれっく at 11:45 | Comment(4) | タイ情報
この記事へのコメント
タイの一流の職人の作品で素晴らしいですね!
まさに芸術品ですね!
このままの状態で維持出来たら新たな観光資源なるのに、取り壊してしまうのはもったいないですね!
一般公開の期間が延長されたので見学に行く予定ですが、早起き出来るのか心配です。
前夜の夜遊びは、ほどほどにします。
Posted by ぽんちゃん at 2017年11月17日 00:01
ぼんちゃんさん

>タイの一流の職人の作品で素晴らしいですね!
まさに芸術品ですね!
このままの状態で維持出来たら新たな観光資源なるのに、取り壊してしまうのはもったいないですね!

この神獣たちはいったいどこに行っちゃうんでしょうか?
もったいないですね〜。

>一般公開の期間が延長されたので見学に行く予定ですが、早起き出来るのか心配です。
前夜の夜遊びは、ほどほどにします。

いっそのこと寝ずにそのまま行くとかw
ナチュラルハイ状態で楽しめるかもー?
Posted by たーれっく at 2017年11月17日 11:57
先生、この膨大な情報の資料調べるだけで大変だったのでは! お疲れ様です。よくタイのお寺のキンナリーとか壁画にあるのは三界経を表したものが多いわけですね。素晴らしい

象と魚のコラボであったり鳥と人間だったりすごいですね。藤子先生もヒントにしたりなんてロマンチックですね!

見に行くの楽しみです。ついでにラックムアンとかいろいろこのあたり見に行ってみようかな。
Posted by 大阪のヤス at 2017年11月17日 12:43
大阪のヤスさん

>先生、この膨大な情報の資料調べるだけで大変だったのでは! お疲れ様です。よくタイのお寺のキンナリーとか壁画にあるのは三界経を表したものが多いわけですね。素晴らしい

パネルの名前と写真の像を対比して名前を書き留めるだけなんですけど、これがまた大変だったですよ〜。
最初は全神獣のタイ語と英語もメモしていたんですけど、複雑すぎてさじを投げました・・・

>象と魚のコラボであったり鳥と人間だったりすごいですね。藤子先生もヒントにしたりなんてロマンチックですね!

うまく合体動物作り上げていますね。
さらに装飾のセンスとかも素晴らしいです。

>見に行くの楽しみです。ついでにラックムアンとかいろいろこのあたり見に行ってみようかな。

近いのでぜひ!
あの白象は現在撤去されてないのが残念〜。
Posted by たーれっく at 2017年11月19日 23:58
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